Vol.3|知的財産戦略の総合サポート

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研究開発、ニーズ・シーズ情報の収集

 情報を収集する立場で考えてみましょう。図に情報収集をなんのためにするかを整理してみました。

 研究や開発に先だって、基礎研究は未だしも、誰がどのような立場で使う商品やサービスなのか。その技術の必要性、つまりニーズがあるか、想定した顧客は誰か、その顧客は何を求めているかを意識することが大切でしょう。

情報収集

 特許情報には目的、つまりニーズが書かれています。「必要は発明の母」ということわざがありますが、どのような必要性があって発明がなされたかが必ず書いてあります。このような目的は正にニーズですし、顧客が求めていることが表現されているのです。
 こうしたニーズつまり要求目的が分かったところで、どのような技術が必要で、どのような機能や性能が求められるかが必要な情報といえましょう。こうした技術はどのような部品、構成要素から作られていればよいか、必要な素材や性能は?材料は何か?と次々と疑問や検討すべき事項が出てきます。
 その答えやヒントが特許情報にはあるのです。目的や課題を説明した後に、どのような形でその目的を解決したかが、こと細かく特許情報に示されています。特許の権利を取得するためには、この技術的な解決方法をしっかり示すことが求められているのです。これを技術の開示と言いますが、開示した技術の範囲が独占権を主張することができる範囲になるからなのです。
 特許情報は、企業や機関が明確に示されています。つまり他人や他社がどのような研究開発をしているか、どのような技術開発の動きをしているかも知ることができます。
 さらに特許情報は権利情報でもあります。どのような技術に独占権が取得されているか、その技術的な範囲はどこまでかなどの情報も示されています。特許の独占権は調べなくて、知らなかったということは許されません。しかも許可なく権利を使っていれば使用の差し止めや、権利を侵害したことによる権利者の損害を賠償しなければならないほど強力な権利なのです。

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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