Vol.33|知的財産戦略の総合サポート

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不正競争防止法

 ビジネスの世界では、事業者間の公正な競争を確保する必要があります。不正な競争によって営業上の利益を侵害されたり、侵害されるおそれのある者に対し不正競争状態の停止・予防請求権などを与えるものです。営業上の利益が侵害された者の行為に対して差止請求、損害賠償を求めることができます。
 不正競争状態の例を図に示しました。
 他人の商品との混同惹起行為では、商品の外観、容器、包装など需要者に広く認識されているものと同一または類似の商品または営業と混同するような商品を提供することが禁止されます。
 また著名なブランドを悪用して、表示したり商品などとして提供するなどの冒用行為は禁止されます。
 他人の商品と形態が同一または類似したものの提供は禁止されます。ただし商品の機能を確保するために不可欠な形態は除かれます。
 商品開発や製造に欠かせないノウハウや、長年にわたり取引してきた顧客の名前などの営業上の秘密情報を漏えいしたり、窃盗、詐欺、脅迫その他の不正な手段で取得して活用したり開示する行為も禁止されます。しかし、これは企業内で厳密に秘密保持、管理がなされていることが条件になります

不正競争防止法

 ユーザーに誤って認識させてしまう誤認を起こさせる行為も禁止されます。原産地、品質、内容、製造方法、用途を誤って伝える行為が含まれます。また、数量、役務の品質などを誤って認識させるような表示も禁止です。

不正競争防止法

 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知したり、流布する行為も禁止されています。他社の商品との性能比較広告なども注意しないと不正競争防止法に触れることになる可能性も出てきます。  最近のCDやDVDやプログラムなどには複製を防止するための技術が施されていることが多くなりました。こうした複製防止技術を外したり、妨げる方法や装置、プログラムなどを提供する行為も禁止されます。  また、他人の商品や会社名などと同じまたは類似のインターネット上のドメイン名として登録したり、保有、使用する行為は禁止されています。不正利益を得る目的、他人に損害を加える目的での使用も禁止の条件です。  パリ条約や世界貿易機関の加盟国、商標法条約の締結国で取得された商標と同一または類似の商標を権利者の許可なく使用する行為も禁止されています。  不正競争状態にあるかどうかは、判断が微妙なケースも出てきますが、他人の商品や役務に同じまたは類似のビジネスは注意しなければなりません。また長年企業活動で蓄積したノウハウである機密情報の管理も厳密に行うことが求められます。

不正競争防止法

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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