付箋活用のグループ討議
討議の段階では、各自の頭の中をすべてさらけ出すことがポイントです。こうした方法の一つが「アイデアを顕在化するカード」を利用することです。
複雑な難しいアイデアであっても、「一言でいうと○○」と表現できるものです。後で思い出せるように、一つのアイデアを一枚のカード(ラベル)に端的に表現して書き留めておくのです。もちろん、図や絵で表現しても構いません。筆者は「一行記載」といってこうしたアイデアや事象を端的に表現する方法を実践してきました。関係者の中であっても誰もが理解できる表現となると中々難しいものですが、数多く何回も経験し慣れることで、苦もなく表現できるようになります。是非とも身につけて頂きたいことです。
この「アイデアを顕在化するカード」は、あとで、アイデアの整理統合に使いますので、裏に張り替え可能なノリのついている紙を使うと良いのです。一行記載にも良いし、複数の人によってコンセンサスを得ながら、議論したり整理するために最適のサイズが75ミリメートル×25ミリメートルの大きさで、「ふせん紙」(たとえば「Post-it(ポストイット)」(スリーエム社の登録商標))と呼ばれるサイズをお薦めします。アイデアをアトランダムに集めて類型化を図るときに、自由に場所を移動して、配置できるので便利です。この貼って剥がせる糊の付いた付箋紙を是非活用して効率化を図ってください。
このアイデア顕在化カード(ラベル)は、グループ全体の掲示板の役割をします。どなたかにお願いして一々記録を取る人や、整理する作業を担当してもらう人は必ずしも必要ではありません。皆で記録して、皆で整理しながら議論を進めるのです。自らの頭の中をさらけ出し、顕在化するとともにメンバーとの共有をはかるわけです。
つぎに大切なことが、議論の集中です。議論している主題から外れたり、テーマからずれると議論が進みません。しかし、ある種の議論をしているときに、とんでもない全く関係の無いアイデアや、ちょっと関連するアイデアがでることもありましょう。このような時には、顕在化カード(ラベル)に要旨を書いて記録しておき、後で、議論が一段落したところで提示します。
本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。
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