Vol.57|知的財産戦略の総合サポート

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アイデアの整理

複数のアイデアが出てきた場合に、そのアイデアを整理したり、まとめることが必要になります。

 アイデアを整理するためには、ある課題を解決するための同じようなアイデアを集めます。課題が同じものや、考え方が同じ、または近いものを集めます。

適用アイデアの整理

 同じようなアイデアの集合を作ったところで、これらのアイデアを回避して逃げる道となるアイデアを追加します。他社に特許を取られたら、どうすれば良いかを考えることになります。

 図示したように、発明の構成要素を把握します。先に集まったアイデアを実現するために必要な構成技術要素を考えます。

 アイデアをどのようにすれば現実のものにできるか、必要な機能を複数洗い出すことになります。

発明を構成する要素の把握図

 そして、それぞれの機能を実現するためのアイデアを出していきます。構成要素の展開は、第一段階で考えられた機能を果たす第二の段階の機能または実現手段では、上位概念の機能を実現するための下位概念の機能や実現方法を出します。

機能展開の考え方

 最下位の概念では、具体的な材料やメカニズム(機構)、回路、製造方法、工程、処理方法など、製品やサービスを実現するための手段まで展開することになります。

 図の、機能展開の考え方に示したように、ある製造工程であるとすれば、その工程における構成要素である手段に分解します。ある目的(工程)を達成するために、前工程から何かの形の半製品を受け入れる手段(インプット手段)が必要です。そしてこの工程での加工なり付加なりを行う工程で処理(プロセス手段)し、次の工程に送る(アウトプット手段)といった形で全体の上位概念の処理方法を表現します。そしてこれらの各処理(上位概念)を目的に、この目的となる手段を実現するための下位概念の手段を洗い出します。こうして目的、手段で何段階か順次展開していきます。

 次の図には機能展開の作り方を書いていますが、展開する要素の観点は、目的をあげて、その目的を実現する手段としての展開の他に、上位概念、下位概念として捉え順次細かく展開していく方法もあります。

機能展開の作り方

 それぞれの機能要素が従属関係にある目的に対する手段だけでなく、独立の機能要素(手段)に対しさらに細かい機能要素(手段)で展開することも考えられます。機能を枝わけしていくこともできます。

 洗い出した機能項目が、過不足ないかをチェックするためには、上位の機能または目的を達成するために展開した機能は必要なものがすべて洗い出されたかを見ることで展開した要素に抜けがないかチェックします。さらに、下位で展開した機能要素や手段があれば、上位にある機能や目的を達成するために充分であったかを見ることで漏れをチェックします。

 図には冷凍枝豆の発明を例に機能の展開で表現した例を示しました。発明の実現に必要な要素は細かく下位の機能まで分解しますが、必須でない要素は上位概念にとどめています。

冷凍枝豆の機能展開例

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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