Vol.60|知的財産戦略の総合サポート

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統合発想法の目指す発明

この統合発想法が目指す発明をご紹介しましょう。

例えばNTTのダイヤル104に電話して受けられる電話番号案内サービスがあります。現在はインターネットのサービスが普及し無くなりましたが、そうしたサービスは電話通信が始まった当初からありました。電話番号が分からない人がお店の名前や住所などを頼りに電話番号を調べてもらうサービスです。このようなサービスの目的を改めて問う必要は無いように思います。

 

 しかし、電話番号案内サービスの本来の目的は何なのでしょう。

住所や氏名から「電話番号を知る」でしょう。この目的は何なのかと考えると「電話番号が分からないところに電話をかける」が、本来の目的であることが分かります。

それならば、「電話番号を知った」後に、「電話をかけてあげる」というサービスが発想できます。1990年にアメリカで登録になったアメリカ特許第4959855号は、そうした電話番号案内サービスの課題を掘り下げ、新たな課題である目的を見出して解決策としてさらに発展させたアイデアです。この発明では電話番号を検索して結果を通知するだけでなく相手に電話を掛けてあげるためにダイヤルトーンを発信するサービスを特許にしたものです。

 

 このように、今まで誰もが知っていて疑わない目的を、その本来の目的は何かと問うことで、本来の目的を確認すれば、新たな必要性である課題が出て、課題・目的を満たすための新たなアイデアを導き出すことができるわけです。

 

 統合発想法は新たな目的・課題を意識することで、こうした既成の概念や機能を打破して新たな発想が行えるものです。

統合発想法の目指す発明

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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