有効特許とは
有効特許とはどのようなものかを、図に示しました。
これは権利行使をして、収入をあげた特許と、他社に高額のライセンス料を支払った特許をある企業で分析したものです。
技術面と権利面で見ています。
有効特許になりえた発明には、ある傾向が見て取れます。
技術面でみると、他社に先駆けて開発した先行開発が44%を占めています。続いて先行開発の結果ともいえますが、技術課題に気づけば誰がやってもそのような解決手段になる当然の帰結といえる発明が21%になっていました。また、業界の標準となっており権利を使用せざるを得ない発明が19%になっており、これらの3要素で74%になっていました。これは何といっても他社に先駆けて研究に着手して権利化を図った結果といえます。
一方、権利面でみると、権利侵害状況を確認するのが容易であった権利が29%、権利範囲(クレーム)が広いが27%、権利行使を意識した発明になっているが27%で、クレームが多いが14%になっています。
権利範囲を決める特許請求の範囲(請求項)の記載の充実があげられます。権利面では、発明内容が多岐にわたり、どのような設計を行っても権利範囲に入ってしまう特許になっていました。
本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。
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