発明の総合的評価
各企業では、評価観点(要素)をまとめて、評価基準を作っています。
技術面、権利面、さらには市場性を考慮して企業ごとに各項目に重み付け(重視すべき観点)を決めて判断しています。各社のおかれた環境やビジネスの性格、競合他社の状況などを考慮して、これらの各要素の分配する配点が変わります。ユニークな試みでは、自社の実施は当然で、他社が使用したり、使用する可能性に重きをおき、他の観点は重み付けとしては半分以下にする企業も見られます。
発明の評価については個別の発明を一件づつ評価するのではなくビジネスの単位ごとに権利群をまとめて評価する方法を導入している企業が増えています。
群としての評価を試みるケースは、図のように個々の発明を製品への貢献度として判断評価するのではなく、技術またはビジネスのグループとして権利群としての貢献度を技術面及び権利面で評価します。
ここでは、技術面をビジネスの基盤・基礎となる発明か、応用発明、さらには、周辺的な発明かどうかで捉え、さらには権利面で有効性が高く他社への波及効果が大きいか、中くらいか、小さいかなどで、個別の発明を判断して図に展開します。そして発明及び権利群として見ます。
次に、ビジネス面、事業性などで必須の発明かどうかを見て、各発明群及び群内での必須性などを考慮して総合的に判断する方法です。個別の発明の単独の評価判断でなく、ビジネスユニットとの事業性などの群の間での相対性でダイナミックに評価判断する傾向も見られます。
本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。
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