特許分類やキーワードの調査方法 第2回
2.概念からキーワードを抽出
概念から使用するキーワードの手掛かりを得る方法として想定できる方法を以下に例示します。
概念から、類語や違う表現方法を取得
特許分類における表現を採用
公報における表現を利用
科学技術情報サイト(J-GLOBAL)などインターネットの利用
英訳による類語調査
2-1. 概念から、類語や違う表現方法を取得
単純に類語を探すだけでなく、時には言い換えや用語の説明も有効です。
(例) 生体認証
①「生体」の類語や違う表現方法を取得
・バイオメトリクス、バイオメトリックス
・光彩、掌、手の平、顔、指紋、声紋
②「認証」の類語や違う表現方法を取得
・照合
・本人の確認(「本人」と「確認」の近傍検索)
・個人の識別(「個人」と「識別」の近傍検索)
「本人」「個人」など様々な形態があるので「人」とする。
「人」を表す言葉として「者」「員」などもある。
⇒「人」「者」「員」と「確認」「識別」の近傍検索
③生体認証は以下の2パターンで表現する。
・生体(類語も含む)と認証(類語を含む)の近傍検索
・「人」「者」「員」と「確認」「識別」の近傍検索をした結果に「生体」の積
2-2. 特許分類での表現を採用
特許分類の説明でどのような言い回しをしているかを調べます。日本語の中でも有効ですが、日本語と英語の対応を知る時にも有効な手段です。
(例1)日本語の表現を調べる
①FIのガイダンスで「認証」にかかわる分類を確認する
②「本人確認」という言葉を特許分類から見つける
(例2)英語の表現を調べる
①CPCのガイダンスで和訳の分類を調査する
②原文に切り替えて英語の表現を確認する。
A61B 6/5241は和訳では、「重畳する放射線イメージを組み合わせるもの」となっているが、
原文で「重畳する」の部分は「overlapping」となっており、
重畳の英語の候補に「OVERLAP*」が挙げられる。
2-3. 公報における表現を利用
特許分類などを活用して、公報での表現を調査する。
(例)仮想現実の別の表現方法を知る。
G06F111:18(・仮想現実または拡張現実を用いるもの)の範囲の公報で、
仮想現実と言う表現をしていないものは別の表現をしている可能性がある。
①検索式の作成
#001 FI=G06F111:18
#002 UTX=(仮想 + 拡張) <3W> 現実
#003 UTC=仮想
#004 UTC=現実
#005 T=#001 & #003 ! #002
#006 T=#001 & #004 ! #002
②公報上の記載を確認
#005,#006の集合を確認すると
「仮想3D空間」、「現実空間」と「仮想物体/オブジェクト」の組合せ、
「仮想空間」、「仮想の3次元空間」、「仮想世界」などがあった。
⇒ 「仮想」と「空間」「世界」等との近傍、「現実」と「空間」「世界」との近傍と
「仮想」の積などをキーワードの候補として加える。
2-4. 科学技術情報サイト(J-GLOBAL)などWebサイトの利用
Webサイトを利用した類語の特定方法がある。
科学技術情報サイト(J-GLOBAL)の利用
このサイトでキーワード検索をするとキーワードの候補が表示されるので、それを参考にキーワードの類語を考える。
その他技術の説明サイトなどの利用
技術を説明するサイトでは、英文表記や略号などその技術の説明情報を参照することで類語のアイデアを知ることができる。
2-5. 英訳による類語調査
日本語間の類語、英語間の類語なども、英訳や和訳をしていくことで類語を殖やすことができることがあります。
(例1)補償の類語を探す。
①「補償」を英訳する
⇒ compensation
②「compensation」の和訳を得る
⇒ 補償、賠償、代償、埋合せ等
(例2)「ultrasonic wave」の類語を探す
①「ultrasonic wave」を和訳
⇒ 超音波
②「超音波」を英訳
⇒ 「ultrasonic」「ultra audible sound」「ultrasonic wave」「supersonic wave」「ultrasound」等
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